龍田比古の奥山日記

愛する人を追い、斑鳩、三郷、平群、生駒、安堵…龍田川流域など大和を歩いている。気持ちのいい石室によこたわるかとおもえば、万葉のイリュージョンに垣間見たり、十一面観世音が暗号を呟く。…生駒郡という現代の地名を旧平群郡と読み替えると、いろいろなことが見えてきました。

見えない古墳を見る

奈良にもいい植物園があると聞き、馬見丘陵公園に出かけた、暑いあつい真夏日。

どこの古墳もよく似たもので、これ以上近づけない。せめてお堀の際までぐらいならいいのじゃないかと文句を言いたくなる。大きすぎて見えるところからは全体が撮影できない。こんな大きいものを、よく見えないと感じる自分がある。形もぼんやり「ひょっこりひょうたん島」に似ているかもしれない。でも見たという腹にストンと落ちる納得みたいなものがない。

写真の向きが上の写真と同じかどうかも分からない。巣山古墳という大きな前方後円墳である。この小さな(といってもレリーフ・マップ全体はかなりのサイズだ)写真のほうがよく見える。
このレリーフ・マップが設置されているのが

このナガレ山古墳の前

そしてここから見上げるのが本物のナガレ山古墳、もちろん大きくて見えるところから全体を撮影することはできない。
でも、見える。嬉しい。
茂る木などの植物、動物、永年積もりに積もった土をどけるとこういう形になるらしい。詳しく勉強していないが、その土台に葺き石や埴輪を復元して、並べなおしたものだろう。復元保存というらしい。一般に前方後円墳というものはお堀の水と(ない場合もあるが)植物の色をしているものであるという(浅い)常識が覆される驚きと喜び。
細部が見える。

不敬にもお墓に登り踏みつけることになる。
ごめんなさい。

ごめんください


階段はもちろん復元ではありませぬ

前方部の頂上は広場になっていました。
ひろい!

どなた様か存じませんが、安らかにお休みくださいませ。

見下ろすと古墳のデザインを強調する埴輪の列、にくいね、誰が考えたのやら

後円部頂上から前方部を眺むれば
そして

最初見上げたときに見下ろす自分を想像したあの場所が見えまする