龍田比古の奥山日記

愛する人を追い、斑鳩、三郷、平群、生駒、安堵…龍田川流域など大和を歩いている。気持ちのいい石室によこたわるかとおもえば、万葉のイリュージョンに垣間見たり、十一面観世音が暗号を呟く。…生駒郡という現代の地名を旧平群郡と読み替えると、いろいろなことが見えてきました。

大門ダム探検~信貴山寅まつり2014

昨年は信貴山に何度登っただろうか。
平群町観光ボランティア養成講座の最初のガイドコースが千体地蔵から開運橋~弁財天の滝~高安城趾~信貴山城址朝護孫子寺信貴山iセンター、だった。だからかつて一度しか行ったことの無かった信貴山の隅からスミまで昨年は拝見することができた。バス、自家用車、スクータなどで、信貴山下から、三郷から、生駒山地の中腹を南北に走るフラワーロードから、また駐車場から、山門から、堂守さんから教わった奥の院へ続く参道(墓地のある山道)から、いろいろアプローチした。心残りは唯一つ、自転車で参拝していないことだ。信貴山参拝は自転車こそ気持ちいい達成感を味わえる交通手段だと考える。

ところで、信貴山の寅まつりに大門ダムが見学できるという。
NPO法人信貴山観光協会(理事長田中眞瑞氏)主催の「信貴山寅まつり・大門ダム探検隊」知ってすぐに応募。平成26年2月8日10時のコースを希望したが、大雪注意報が発令され順延された。
さてこれが朱塗りの信貴大橋から見下ろす満水の大門ダムである。
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小ぶりのダムで郡山土木の説明によれば奈良県で一番小さなダムであるらしい。出来たてのほやほやだから奈良県最新のダムでもあるだろう。
入り口は大門ダム湖(大門池)~大門川の左岸にある。
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手前の雪を装う屋根が無人管理棟、いざというときに監視や運転ができるようになっている。が、普段は郡山土木の事務所で遠隔監視しているとのこと。
右手朱色の信貴大橋の下の水面にオレンジ色のブイが並んで浮いているが、そのタモトの少し出っ張った所に平安時代に水をせき止めていた大門池の堤があったらしい。現在堤は水中に保存されているとのこと。考古学的な調査はあったらしいが、昭和時代の石碑などが残るのみとか、弘法大師の時代だと思うんだけどなぁ。大門ダムは800年働いた大門池に負けていられないと職員さんが微笑む。そうかこれから最低800年はこのダムが働くのだ。

整備中の遊歩道や桜花壇などの向こうの管理エリアで説明を受けたあといよいよダム体内の入り口へ降りる。
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階段の雪は綺麗に撤去されていたが水溜りが残る。風もあり寒い。
ダムの大きな壁の中ほどまで降りると秘密の入り口があった。将来遊歩道が開設されてもここはもう入ることはできないだろう。中に入るとまた降りの階段が延々と続く。左に手すりがあり、右には電線や光回線のケーブルなどがバスの網棚みたいなものの上に走らせてある。足元の溝にはところどころに大きなコックがありペットボトルの廃品で漏斗やタンクをくっつけ、水食や水量を見えるように工夫されている。最先端の建造物に素朴な用具を組み合わせているのがほほえましい。
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ダム本体内は暖かい。夏は涼しいらしい。
下は大切なセンサーの一つ地震
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これらは奈良県の専用回線で遠く離れた事務所とつながっているのだ。
センサーとしてはこの地震計だけが目に見えるもの。
通路の天井は床から3メートルぐらいあるだろうか、背の高い人でも胸を張って歩ける。古墳の羨道とは違い歩きやすい。降りてきた反対側にはシンメトリーに昇る階段が見える。
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整備中の遊歩道から眺める大門川右岸から見るダム。
帰りはダムの堤の頂きの通路を戻る。
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中央でダム底を覗いた。おお怖っ!
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整備中の遊歩道
過去の大門池についての十分な調査や展示がなく、この地域の史的なダムの連続性や発展性について不明なのは少々残念だったが、このダムを水防に利用し、水道に使い、今後ウォーキングコースを作り、ビオトープも設置して楽しそうなエリアにされるとのこと。
http://www.pref.nara.jp/secure/109666/07shimadaronbun.pdf
これが僕には楽しみだ