龍田比古の奥山日記

愛する人を追い、斑鳩、三郷、平群、生駒、安堵…龍田川流域など大和を歩いている。気持ちのいい石室によこたわるかとおもえば、万葉のイリュージョンに垣間見たり、十一面観世音が暗号を呟く。…生駒郡という現代の地名を旧平群郡と読み替えると、いろいろなことが見えてきました。

旨酒 日本酒 大和の地酒

こんな美味い酒と出会った。友と過ごす幸せの一瞬

なんでも奈良女子大と春鹿の今西清兵衛商店とが共同開発、2009年にデビューした清酒。杯をすすると口いっぱいに広がり、初めてであったのに懐かしい感じがした。
懐かしい酒とは、かつてワインが毎月町の酒屋から配達されるというシリーズの中にポルトガルの香りも味も強烈な変なワインである。二度と出会っていないし、それがどういうものかスッカリ忘れてしまったが、あの体験を思い出した。
最初、不味いと感じた。次の夜、異物を感じるのもよいお経験だと知的な関心が生まれた。次の夜には美味いかもしれないと感じ、美味いと確信を持ったとたん空になってしまった。そのような失敗は何度かして、不味いも美味いも同じだと悟るようになった。どちらにしても自分には引掛かり、ぶつかる。自分を映す鏡。
そのありそうでなかった名前「奈良の八重桜」
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
すぐさま百人一首を連想される方も多いと思う。でも当時の記事には奈良の県花に挑戦、とあり、なんと実際にその奈良の八重桜の花から酵母を採取して造ったのだという、すばらしいではないか。
まぁあれほど変ではないが、日本酒としては個性的だと思う。旨い

奈良を代表する花≪奈良の八重桜≫という希少種の野生の花びらから清酒酵母分離に成功!奈良女子大学・奈良県工業技術センターとの産学官共同開発!奈良女子大学創立100周年記念酒。株式会社今西清兵衛商店

http://www.harushika.com/index.html
こんないい夜をプレゼントしてくれた立ち飲み処はいつもの「なら泉勇齋」
https://www.facebook.com/naraizumi


立ち飲みというのは椅子がない、椅子がないと知らない客同士が距離を自由にとれる。酒を介した出会いの場。
昨夜の客に広島に住む女性からいろいろ日本酒のお話が聞けて勉強になった。その広島の有名な酒の米が「八反」という。それで、いやそれだけで造った大和の地酒がこれ「篠峯」
びっくりするほどフルーティー、薫り高い。まさにライスワインではないか。これほどのワインライクな日本酒が造れるとは!旨い。

この酒を紹介してくれたのがもう一人の男の客で折り紙アーティスト
泉勇斎に寄贈した作品が上である。すばらしい。信じられない器用さ。酒の味を知るのは折り紙つき。男前の若者。


純米飲み比べセット、純米派の自分としてはどちらもOKだったが、右の初の出会い都祁氷室!これも爽やかフルーティー忘れられない出会いとなった。鷹長は御所(ごせ)の油長の純米。都祁氷室はその名の通り奈良市都祁の吐山町ある蔵元、倉本酒造株式会社、気に入りました。


店に立つと最初に挑戦するのが利き酒Aセット。杯には吟醸・純米・本醸造3種が順不同で入っていて当てるというお遊び。いつもいつも迷うのが純米と吟醸。ようし、次回は当てて卒業するぞ。
友によるとぼくは純米吟醸と吟醸を取り違えているらしい。純米吟醸がすき。吟醸を飲むといつもクエスチョンマークがピコピコ頭に生えてしまいます。楽しい!(かつてのささやでは酒瓶に覆面を掛けて前においてくれたなぁ)


秋に今年の新酒を飲むと?「ひやおろし」となる。梅の宿のラベルは秋。前回飲んだ嬉長ひやおろしのラベルは新酒そのまま。嬉長新酒を何本もずいぶん飲んだ自分としては親しみのある世界遺産ラベル。


50cc500円で飲んだ純米大吟醸、純米大吟醸を瓶で買う金はないが、一杯だけ飲めるのが嬉しい。これは寒い懐具合のことだけじゃなく、いろんな酒を飲みたい自分としては、少しずつが一番いい。

菊司の暗がり越えを昨夜買って帰り、ちょいと一杯やりながら書いておりますが、写真を撮っていませんがこれも端麗辛口できりっと爽やか、旨い。