国立文楽劇場
文楽をこの劇場で見るのは初めてだ。
http://www.ntj.jac.go.jp/bunraku.html
友人から頂いたチケットの席は最後列、なのに近い。何人座れるのかなぁ、
上のページで確認すると753。人形芝居はこの程度がいい。後ろでも近い。
音はマイクを通して拡声しているのだろうか、マイクは見えない。太棹の低音域もはっきりと聞こえる。減衰していない。いろいろな技がダイレクトに伝わる。太棹一本のサウンドに心臓が引っ張られたり絞られたり、う~ん、こりゃ参った。
人間国宝の竹本住大夫(たけもとすみたゆう)が登場、TVの文楽入門で馴染んだお方、若々しく悪役の台詞、悪が悪で無いような、人情があるようにも思えてしまうのが憎い。隣のばあさんも顔を見た瞬間おおきな拍手、周りの感動が伝わる劇場やな。あ、ばあさんじゃなく嫁はんでした。まぁ、どうせこれは読まんから大丈夫、大丈夫。
義太夫の紹介をする拍子木を打つ黒子の声は拡声していないからか、聞こえるが少しの拍手でもマスキングされる。もっともこの夜の黒子の皆さんが小声なのかもしれないが。
出し物は「夏祭浪花鑑」面白かった!人形芝居が面白いことはとっくに知っていたけど、この劇場で観る人形浄瑠璃は最高やわ。
今宵フィナーレの殺しの場面、延々と続く親殺しの場面、これは歌舞伎の舞台TV中継を見たことがあり、あのときの心の動きを思い出した。あれも面白かったけど、人形の方もなかなか生々しいではありませんか。
駆け去る場面などタンタンと地面を蹴り初め、アクセル&デクレッシェンド、しかも舞台袖に走りこみフェードアウト。これ大好き。歌舞伎で生の役者がどう演じていたか思い出せまへん。とにかくあの走りが人形浄瑠璃って感じじゃありませんか。低俗?はっはっは
それに台詞が80%は理解できる。(字幕が天井に出るが、字幕を観ても分からん古語がいくつか。)関西弁は大事にセナあかんとあらためて。ただ、聞き間違いはいくつもありそう。
プログラムを買ったらシナリオまで付いてきた!得した気分。それを観ると最初から聞き違えていたではないか。
住吉鳥居前の段
住吉の浜辺を春の名に高き、この台詞を「住吉の浜辺を春の波高き」と聞いてしまっておった。もしこれがTV録画であったらもう一回聞きなおし、自分の耳の特性と義太夫の発音の特性について経験を深めることができるのだが、まぁ、ナマではしゃーないなぁ。
あぁ面白かった。