龍田比古の奥山日記

愛する人を追い、斑鳩、三郷、平群、生駒、安堵…龍田川流域など大和を歩いている。気持ちのいい石室によこたわるかとおもえば、万葉のイリュージョンに垣間見たり、十一面観世音が暗号を呟く。…生駒郡という現代の地名を旧平群郡と読み替えると、いろいろなことが見えてきました。

四柳育子さんというバレリーナ知ってますか?

この夏、京都で友人と飲んだ折、N君のエジプト赴任時代に知り合ったという若いバレリーナがおり、ちょうど帰省中で彼女を彼が呼び、気さくに顔を出してくれたのが四柳育子さん。美しい女性だった。ポーランドのバレー団に所属してあちらで暮らしているとか。四柳さんが現れるとその場が急に明るくなり華やいだ雰囲気にする人だった。私はいい調子で呑みすぎて、後半あんまり覚えていないが、ドイツ人と結婚しずっと現地で暮らす妹とも境遇が重なり、お話しや表情に心を強烈に揺り動かされた。
なんとその後本人がテレビ出演とN君からメールが来てびっくり。

読売テレビ「グッと!地球便」海の向こうの大切な人へ
毎週日曜朝10:25〜放送(30分)
#174ポーランド 12月4日(日)午前10:25〜

読売テレビのこの番組はどうも関東地方では見ることができないそうで、彼の録画依頼でもあった。しかし、ディジタルになってから録画は直付けのHDD録画しかできず、残念ながら番組を取り出すことが難しい。彼には申し訳ないが早速嫁はんとふたりで拝見した。

初めて観る番組で面白いと思った。海の向こうと日本をつなぐ男山口智充が藤森神社から出てくる。大きなボストンバッグを転がしながらカメラに近づき四柳さんの実家に行くというオープニングだ。

所属のウッジ大劇場バレエ団は年間95公演も上演し、そのほとんどが満員という。いいところに行ったもんやなぁ。それも彼女の実力、人徳だと思った。う〜ん、ええわ。

こんなに素晴らしい日本人が居ることに驚きだが、もっといろいろな人に知ってもらい応援してもらえたらと願う。
短時間お会いしただけだが、自分の知り合いでもあるという誇らしい気持ちにもなる。
次回N君が関西に来るときには我が家に観に来てもらいたいものだ。

読売テレビ「グッと!地球便」海の向こうの大切な人へ(毎週日曜朝10:25〜放送)(30分番組)
#174ポーランド 12月4日(日)午前10:25〜

今回の配達先はポーランド。ヨーロッパで2番目に大きい舞台をもつウッジ大劇場のバレエ団に所属するただ一人の日本人ダンサー・四柳育子さん(32)と、京都に住む父・英明さん(67)、母・君子さん(61)をつなぐ。日本を離れてバレエ一筋に7年。ダンサーとして決して若くない娘に、両親は「主役の座を求めなくても、そろそろ家庭を持ってくれれば…」と望んでいる。

 ウッジ大劇場バレエ団は国の援助を受けて市が運営する公立のバレエ団。ダンサーは公務員のような存在で、下は19歳から、上は40歳を越えて現役のダンサーもいる。育子さんら50名に及ぶ専属ダンサーは、明日に迫った年末恒例の大舞台「くるみ割り人形」の最終調整に余念がない。育子さんは今回、その中でももっとも華やかといわれる「花のワルツ」のソリストを務める。だがその配役は、すんなりと決まったものではなかった。

 実は3ヶ月前に新しく就任した演出家が当初、育子さんの踊りも見ず、その他大勢の脇役に決めてしまったのだ。「“なぜ自分が踊れないのか”と聞いたら、“身長が小さいから”と。踊っているところも見ないで、どうやって決められるのか」。育子さんは演出家に抗議をし、目の前で踊って見せて考えを撤回させ、この役を勝ち取ったのだ。欧米のダンサーに比べて体格が劣る育子さんが活躍するのは、それだけ容易なことではないのだ。

 育子さんがバレエを始めたのは15歳で、ダンサーとしてはかなり遅いスタートだった。プロを目指す気はなかったが、ある時、来日したロシアのバレエ団の公演を見て感動。すぐに楽屋へ行き、ディレクターに「バレエ団に入りたい」と直談判した。ディレクターは「履歴書とビデオを送るように」と名刺をくれたそうで、「すごいチャンスだと思った!」という育子さんは、そのチャンスを見事に掴んでプロの扉を開いたのだ。その後ロシア、エジプトのバレエ団を渡り歩き、4年前にポーランドへやってきた。

 本番当日。バレエはこの街の数少ない娯楽だけに、1年間待ちに待った「くるみ割り人形」を見るため、劇場にはたくさんのお客さんが詰めかけた。育子さんはかつて「花のワルツ」のソリストを踊るはずだった本番当日の朝、じん帯を傷めて降板した苦い経験があった。今回、再び踊るチャンスを掴んだ育子さんは、小さな体に溜め込んだエネルギーを解き放つかのように最高のパフォーマンスを披露した。

 日本を離れて7年。数々のバレエ団を渡り歩き、今は最良の環境の中で充実した毎日を送る育子さん。「バレエ界では年齢的に若くはないけど、体力が続く限り踊り続けたい」。そんな覚悟でバレエの道を歩み続ける育子さんに、日本の家族から届けられたのは四柳家の連絡帳。共働きで留守がちだった両親と、4人の子供たちをつないだ思い出深いノートだ。そこには長女だった育子さんが覚えたての文字で、弟たちを寝かしつけたことや、母のご飯がおいしかったことなど、日々の報告がつづられていた。そして最後のページには、23年ぶりに母から、いつも幼い兄弟の面倒を見てくれたことへの感謝と、「これからの人生、大きく羽ばたいてください」というメッセージが書き加えられていた。育子さんは「うれしいです。愛情をいっぱい受けて育ってきたんだと感じます」と母の想いに涙をこぼす。
http://www.ytv.co.jp/chikyubin/oa/article20111204.html

<ディレクターの番組こぼれ話>

今回は、ポーランドのウッジ市でバレリーナとして活躍する四柳育子さんを取材しました。
首都ワルシャワから車で三時間。到着したウッジ市の気温は0度。
「寒いときはマイナス20度を超えるポーランドでは温かいほう」と、地元の方がおっしゃっててびっくりしました。

そんな中、街のシンボルともいえるウッジ大劇場に向かうとバレエ団でたった一人のアジア人、育子さんが出迎えてくれました。

「厳しいバレエの世界でソリストとして生きてられる方なのだから、相当気が強い方なんだろう…」と、覚悟をして取材に挑んだ私でしたが、育子さんはとても穏やかで、優しく、マイペースな方でした。

しかしその後レッスンが始まると、表情は一変。同僚のバレリーナと激しく演技論をかわすなど、とても凛々しく感じました。

体が資本という職業なので、ケガをすれば踊れない、即ち働けないという生活のため、街に出かけても、つまづいたり階段を踏み外したりしないよう、足には特に注意を払っているそうです。

話しかけるのが難しいくらいの緊張感が漂う中、「くるみ割り人形」の本番が始まりました。
子供たちがたくさん訪れる中、派手な衣装で舞台せましと踊る育子さん。
一番背の低い彼女が後ろで踊るほかのバレリーナの誰よりも、大きく感じる位に目立っていました。
バレエを鑑賞していた子供たちに感想を聞いてみても、育子さんの演技はとても素敵だったと口々に言うくらい、印象的だったようです。

そんな育子さんがよく言っていたのが、「劇場が家で楽屋が部屋」。
日本人が全くいない環境の中、ポーランド語、ロシア語、英語を駆使して、他のバレリーナやスタッフとコミュニケーションをとり、今のソリストという地位を掴んだ育子さん。今後の活躍を期待しています。

(D橋本)
http://www.ytv.co.jp/chikyubin/director/index.html
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