龍田比古の奥山日記

愛する人を追い、斑鳩、三郷、平群、生駒、安堵…龍田川流域など大和を歩いている。気持ちのいい石室によこたわるかとおもえば、万葉のイリュージョンに垣間見たり、十一面観世音が暗号を呟く。…生駒郡という現代の地名を旧平群郡と読み替えると、いろいろなことが見えてきました。

<水生生物調査に参加しませんか> いいえ、そんなこと知りません

水生生物調査に参加しませんか
◎とき=5月12日㈯10時〜12時、
南コミュニティセンターせせらぎ正面玄関に集合
 ―― 雨天の場合は教室で水辺の生き物学習会を行います。
◎内容=竜田川神田川にすむ生き物の種類や数、川の水質を調べます。
◎申し込み・問い合わせ=はがき、電子メール、ファクスに、住所、氏名・ふりがな、年齢、電話番号、参加人数、「水生生物調査参加希望」と書いて、4月27日㈮(必着)までにECO― net生駒推進事務局(環境政策課内


広報のこの記事が私を呼んだ。(私が記事を読んだのではなく)
目が離れなかった、しばらく。
川の生物調査など興味を持ったこともやったことも無い。そんなん知りません。関係ありません。

そしてその場にいた。
まさか子どものようにパンツやシャツを汚さないと思っていたが、気づくと一心に泥をかき回して、腰の手ぬぐいも、ぶら下げた水入れもGパンも水と泥まみれ、子どもに帰っていた。楽しかった。

講師の谷幸三先生がよかった、面白かった。
憂歌団の木村さんみたいな感じで不思議なしゃべり方にいつの間にか引き込まれてしまう。独特の魅力で強力。

チャーミングな子どもや親や参加者とスタッフ。みんななんでこんなに清々しいのだろう。それは例えば幼稚園の園児に戻って一緒に無心に遊んだ、そんな感じかなぁ。
若い感じのよい市職員もいた。

今まで竜田川は万葉歌の文学世界の風景であり、想像上の美しい川でありました。
日常、たくさん暮らすようになり時々眺める大きなたくましい鯉たち、マガモの繁殖と子育て、どうしてか哲学者のような雰囲気を漂わせるアオサギ。早朝からその哲学者が殺人の悲鳴のような声で鳴く。

何かの事故でたくさんの鯉と生き物たちが白い腹を見せて累々と重なり、あたり一面腐臭を漂わせあたかも人間を非難するようなことが何度かあった。
どうしてこんなことを思い出しているのやら。お恥ずかしい。
まぁ、竜田川の動物についての記憶はその程度、と言うこと。

そうそう最後に質問のチャンスが与えられ、ひとつ先生に伺った。
今日の調査の結果の状況で鮎稚魚の放流をするのは何か効果はありますか、と。
先生は鮎は死にます、と即答。いい効果は無い。もっと川を綺麗にしてからの話しやね、と。